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今回は、めがねに接着剤がダメな理由を 別角度から 紹介したいと思います
今まで 業界一訴え続けてきた「めがねに接着剤はダメ」ですが、フレームのみならず 実はレンズにも悪影響を及ぼします
レンズへの悪影響を掲載しているものはウェブ検索してもほとんど無く、接着剤がレンズに付着した際の除去方法ばかり
レンズに接着剤が付くシチュエーションで考えると、フレームが破損した時に接着剤を使い、レンズ側にまで流れてしまった、と言うのが一番多いのではないでしょうか
直そうと思って起こしたその行動が、フレームのみならずレンズにまで多大な悪影響を与えるのです
かく言う私も、レンズの専門家ではありませんが、実際いくつも見て・触れたものから学んだことを伝えさせていただきます
今回は2事例を、画像をもとに紹介したいと思います
レンズ破片残りが
まず一つ目の事例はこちら
トムフォードのフレームですが、ヨロイ下部分でリム切れしています
ご覧の通りそこに瞬間接着剤を使用されています
正面からの見た目も悪いのですが、割れたレンズが一部残っています
こちらは現在主流のプラスチックレンズですが、普段使いで割れる事は ほぼありません
しかし、接着剤が付くと意外と簡単に割れます
プラスチックとは言え破断面は危険です、こうなった場合 絶対に触れないようにしてください
よく見ると欠片残りが
左画像は先程の破片残りを除去したものです
綺麗に除去出来たように見えますが、まだ少し欠片が残っています
この場合、作業する側も危険ですし、当然元のレンズは使い物になりません
フレームが壊れただけなら フレーム修理代のみで済みましたが、瞬間接着剤を使ったが為にレンズにまで影響が及び、修理代+レンズ代が必要になってしまう訳です
フレーム修理も一番綺麗に仕上がる方法は使えません
この様に接着剤を使うと、簡単にレンズまで割れ・欠けする為、新しいレンズ代が必要となるケースが多いのです!
濡れたように見えるレンズの破断面
次のケースはこちら、カーブの強いサングラス
こちらはガラスレンズを使用しており、破断面は更に危険です
もうお分かりの通り、ガラス・プラスチック関係なく、瞬間接着剤が付く事で 割れ・欠けが起きやすい、と言う事です
そして、割れ・欠けを起こしたレンズは再利用が難しい為、フレームを直しても更にレンズ代が必要になる、と思ってください
とにかく、壊れても瞬間接着剤は絶対に使用しない、これに尽きるのです
これでは再利用は無理
先程のフレームのレンズがこちら
欠けた事で1㎜以上の深さで 所々ピンポイントで窪みが出来ています
なんとか再利用したくとも、一番深い所まで削ると、元のフレームへ嵌める事は出来ません
このレンズを取り扱うには 扱う側にも相当危険が及び、それをすべきではありません (私も過去に割れたガラスレンズに触れ、数回手を切った経験があります)
ガラスはプラスチックより破断面が鋭利な為、危険この上ないのです
また、ガラスレンズはプラスチックレンズと違い、粉々に破損する事があります
この欠片ひとつひとつが鋭利な刃物です、絶対に素手で触ってはいけません
この様に、接着剤(特に瞬間接着剤)はメガネフレーム・メガネレンズに対し、絶対使用すべきではありません
使ってしまったが為残念な結果にしかなりません
直してまで使いたいそのめがね、出来るだけ綺麗に、お財布にも優しくされたいですよね
それならば接着剤は絶対使用せず、お近くのショップへ持ち込む・当店などの専門店に相談する・など適切な行動をとってください
基本は「めがねが壊れたらそのままに」ですよ
それではまた次回お役立ち情報を発信させて頂きます
どうぞお楽しみに
※過去の接着剤に関する掲載はこちら その1
” その2
※めがねがこわれた時はどうしたらいいの? はこちら