壊れためがねの数々
いつも めがね修復・復刻保存館 フィールシーズをご利用いただき ありがとうございます。
今回は、前回に引き続き質問の多い「めがねの壊れやすい部位」TOP3 の紹介と、それらに関係するプチ情報 プラスチックフレーム編 を教えます。
メタルフレームと プラスチックフレームでは 構造が全く異なる為、回を分けて別々に案内させていただきます。
今回は プラスチックフレーム編 として、樹脂製フレームにスポットを当てます。
当店運営元の鈴木眼鏡工業(株)は、めがね修理を専門に 年間約10万本のフレーム修理実績がありますので、この辺は得意分野なのです。
※前回のメタルフレーム編はこちら
※セル輪は壊れやすいの?はこちら
では、壊れやすい部位TOP3を発表していきます。
こちらがクリングス
プラスチックフレーム編 修理部位 TOP 1
クリングス(鼻当ての金具部分)
プラスチックフレームで一番多い破損部位はクリングスです。
プラスチックフレーム修理の約20%程度になります。(当社調べ)
最近では調整がしやすいように、金属のクリングスを付けたプラスチックフレームが増えているのも要因となっています。(鼻盛は含まれません)
壊れやすい理由は、調整前提とした部位である事・細いパーツである事・パーツが溶接されている事・サビなどの影響を受けやすい場所である事・などが挙げられます。
一般の方でも曲げやすい部位である事も要因のひとつです。
こちらはリム切れ・折れ
(画像はヨロイ付近の細い部分)
プラスチックフレーム編 修理部位 TOP 2
各所素材折れ(ブリッジ・ヨロイ・リムなどの素材折れ・割れ)
プラスチックフレームで二番目に多い破損部位は各所素材折れです。
プラスチックフレーム修理の約15%程度になります。(当社調べ)
破損部位を特定してしまうと、分散してしまい極端に割合が低くなる為、各所としましたが、中でもブリッジとヨロイ付近は確率が高いです。
壊れやすい理由は、細い部分である事・付近に金属がある事・負荷が掛かる部分である事・素材縮みの影響を受けやすい場所である事・などが挙げられます。
丁番やクリングスのすぐ横などは、特に負荷の影響を受けやすく、金属との境目で折れてしまう事がよくあります。
こちらが埋め込み丁番部分
昔はここが一番多かった
プラスチックフレーム編 修理部位 TOP 3
埋め込み丁番(ヨロイとテンプルの接続金具部分)
プラスチックフレームで三番目に多い破損部位は 埋め込み丁番です。
プラスチックフレーム修理の約10%程度になります。(当社調べ)
このTOP3を合わせると、破損修理全体の約45% 約半分を占めています。
また、メタルフレーム同様、丁番・クリングス・細い・などは壊れやすい部位と特徴であることが分かりますね。
20年ほど前であれば埋め込み丁番が TOP1 でしたが、昔出来なかった修理が今は色々修理可能になり、クリングス付きフレームも増えた為、順位も様変わりしました。
プラスチックフレームの特徴として、熱に弱い事・素材が縮む事・は避けて通れません。(特にアセテート・セルロイド)
暖房器具の近くや夏の車中・お風呂やサウナなど、高音となる所は厳禁です。
それらの理由から、アセテート・セルロイド製の細身のフレームは変形しやすく破損の原因に直結します。 その事を理解した上で購入を検討してください。
そして前回同様、安価でいいので、予備のめがねを持つように 心掛けましょう。
メタル・プラスチック、それぞれの特徴を理解した上で ご自身にとって最適な
めがねを選んでみて下さい。
以上、壊れやすい部位 プラスチックフレーム編でした。
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