ヨロイ溶接部で切れ
ブリッジ溶接部で切れ
ヤゲン部で裂け
リム溝部で裂け
ようこそ、めがね修復・復刻保存館 フィールシーズ のホームページに訪問いただきありがとうございます!
今回は、めがね業界No.1セル輪の加工事例を持つ当店にだから話せる、「セル輪は壊れやすいの?」について
その理由と部位などについて、深掘り紹介します。
※セル輪は別名コンビネーションフレームとも呼びます
まず結論からお話しします、セル輪の復刻事例が多いのは、それだけセル輪は壊れやすいパーツと言えるからです。
その理由として、素材の縮み・素材の薄さ・が挙げられます。
この2つが壊れる理由にどのように関係するのか、当店が詳しくお伝えしながら、使用上のアドバイスも教えます。
セル輪の材料のアセテートは熱可塑性樹脂であるがゆえ、経年変化で素材が縮むのは避けられません。
材料を冷暗所でずっと保管するのであれば、ほぼ縮むことはありませんが、通常使用では必ず縮みます。
次にセル輪の構造ですが、セル輪は必ずメタルリムの内側か外側に取り付けられます。
内側の場合はレンズとリムの中間にサンドイッチ状態、外側の場合はリムに被せるようになります。
先述の通り、アセテートは熱可塑性樹脂であり、特性上必ず常温環境下で縮みます。
金属製のリムは縮まず、厚みもある円形状のレンズは縮みにくい為、素材収縮率に差が出ます。
これにより柔らかい・薄い素材側に「より大きな負担」が掛かります。
結果、縮む・ダメージに弱い素材・その薄い部分・は最初に壊れる部分となります。
ではその壊れる薄い部分とは?についてですが、金属の溶接に掛かる部分が最も多いと言えます。
例えばヨロイ・ブリッジ・クリングスなどの接点が挙げられます。
これは、その部分はセル輪に切り込みを入れる部分になるからです。
セル輪はリムに被せるように取付ける為、メタルの正面・裏面の溶接部分は、セル輪が被る部分を取り除かなければなりません。
溶接する事でデザインや強度・調整構造を持つ訳ですが、逆に切込みの入ったセル輪の強度はピンポイントで落ちます。
そして時間をかけて少しずつ縮み、蓄積されたダメージがいつか崩壊する(壊れる・切れる)という流れで起きます。
その他 外観から見えない部分では、「ヤゲン」と呼ばれるレンズ溝が挙げられます。
これはレンズの脱落を防ぐ役目のミゾであり、基本ほとんどのめがねに何らかの形で存在します。
セル輪を正面から見て見える厚みから 溝のある部分は0.5㎜ほど薄く、厚みの最薄部は0.6㎜程度しかありません。
また、この溝の深さは規定が無く、製造工場によって異なる為、見た目から強度不足の判断もしにくいです。
しかし、溝は元の厚みから削って作る事を考えれば、セル輪の厚みが極端に薄いものは強度不足と言えます。
これらを踏まえ、お気に入りの「セル輪付きめがね」を長く使う為のアドバイスをいたします。
①セルフレームは必ず縮む性質であることを理解する
②直射日光や高温多湿になる場所での使用や保管は避ける
③セル部が薄すぎるフレームは購入しない
④自分の顔に合ったサイズのめがねを選ぶ
⑤自分で無理に調整しない
⑥屋外やスポーツ用は予備のめがねを持つ(一部②と重なります)
これらを出来るだけ守りご使用頂ければ、かなり長くお使いいただけると思います。(具体的な期間はご使用状況によって異なります)
メタルの硬いイメージとプラスチックの柔らかいイメージの両方をあわせ持つセル輪付きフレーム。
メタルはメッキの・プラスチックは独特な樹脂の柄模様を、いっぺんに楽しめます。
セル輪は知的でおしゃれな見た目に一役買っている、無くてはならないめがねのひとつです。
もしもご自身のセル輪フレームが壊れたら?当店にお任せください。
しっかりと再発防止も兼ねてアドバイス・復刻再生いたします。
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