初めて見る!べっ甲の曲智フレーム
ぱっと見はセル
ノー芯です
モデルも今風
よくぞ作りました
ようこそ! めがね修復・復刻保存館 Feel Seeds のホームページへ訪問いただきありがとうございます
今回は、私も初めて見た「べっ甲の曲智フレーム」のご紹介です
当店では過去にも珍しいめがねフレームや、べっ甲フレーム、曲智フレームの特集をしてきましたが、その3つすべてに新たに仲間入り?する新客の登場です
めがねの修理業を営んでいると、それは様々珍しいフレームに出会う事がありますが、今回の「べっ甲の曲智」も驚きました
何故珍しいのか、その辺も含めべっ甲の特徴も一緒にご案内しましょう (※過去のべっ甲フレーム見分け方特集記事はこちら)
べっ甲とは、ウミガメの1種タイマイの甲羅を加工して作る製品(加工品)を指します
めがねの他には、かんざし・ネックレス・ブローチ・時計・など身に付けるものが多く、あめ色に輝く美しさは 古くから多くがアクセサリーなどの装飾品として重宝されてきました
べっ甲の特徴としては、熱によって曲げ加工が出来る・アレルギーを起こしにくい・高耐久性である・肌触りが良い・など、素材の性質・見た目の良さ・からも身に纏うものに向いていると言えます
熱で曲げ加工が出来 耐久性もある、セルロイドやオプチルに近い部分もあり、これら3つの素材から作るめがねフレームは基本的に「ノー芯」で作られます(一部例外もあり)
めがねは耳に掛かる部分の曲げ調整が必要で、熱によって調整可能である事、常温環境ではその形状を保てる事、細くても強度が保てる事、がノー芯には求められます
その機能を持つ素晴らしい特性がある反面、低温環境では素材の粘りが少なく、強い衝撃が加わるとポキッと折れてしまう事があります
アセテートは粘りがあり 芯も入っている為、同じ低温環境でもポキッと簡単に折れる事はほぼありません
それらの事からめがねでは、力が加わるブリッジ部・ヨロイ部はべっ甲などの上記素材ではあまり細く作らない傾向があります(後で熱調整もほぼ出来ません)
また、精製出来る素材の樹脂に対しべっ甲は限りある希少な天然素材
それを無駄にするような使い方(作り方)をするはずもありません
これらのことを考えると、細身のべっ甲フレームが少ない事・曲智のべっ甲フレームを見掛けない事・が理解出来ます
今回のめがねは そんな今までの常識が覆される、知る人が知ればとても驚く製品なのですね
更によく見ると、ブリッジ・ヨロイ部分は細くしすぎず、べっ甲の種類も濃い目の色を使う事で希少品への対策もされています
これは万が一破損した場合、比較的在庫に余裕があり 材料費を抑えて加工出来る色柄の種類を選んで使用されたのだと思います
自然に見える色合いでさえ 考え尽くされ作られていると思うと「あっぱれ!」というほかありません
いかがでしたか、今回は曲智べっ甲フレームの珍しさとべっ甲製品の特長、分かりやすくご紹介しました
掲載内容を知ってからべっ甲めがねをショップで見てもらえると、更に実感できるのでは?と思います
貴重なべっ甲の特徴を知っていただく一つの機会になりましたでしょうか?
これからも珍しいフレームを見掛けたら、またご紹介していきたいと思います、どうぞお楽しみに