まずはモデリング
(イメージモデル)
いつも めがね修復・復刻保存館 フィールシーズ をご利用いただきありがとうございます。
今回は当店初コラボ、甲府のジュエリー職人さんからのご依頼と、そのコラボ作品のご紹介です。
当店 フィールシーズでは、めがねをあらゆる形で表現し、様々な可能性を広げ
ご提案・活動しておりましたところ、この度ジュエリーの本場、甲府の宝飾職人さんの目に留まり、ご縁あってコラボすることとなりました。
余談ですが、鯖江はめがねが地場産業として有名なのと同様、甲府と言えばジュエリーが地場産業として有名であり、国内ジュエリー製造事業所の およそ1/3が山梨県(特に甲府市)に集中しているそうです。
今回の作品は、その先のお客様の諸事情により、指輪の用途・画像などは一切掲載出来ません。
なので掲載画像はすべて今作品をイメージし、再度作ったモデルを加工して掲載していますのであしからず。
宙に浮くってこんな感じ?
最初ジュエリー職人さんの所へ ダイヤを引き立てる透明の指輪が作れないか? と相談が持ち上がったのがきっかけだそうで、イメージとして 指にはめた時「ダイヤが宙に浮かんで見えるような」そんな感じだとか。
透明な指輪 を作れる素材・場所を探した所、めがねの素材・工場だと可能ではないか?となったそう。
また、ジュエリー職人さんの中に 福井県出身の方がいた事も功を奏し、話がトントンと進み、まずはサンプル作りからスタート。
めがね業界でも、カラフルなアセテート生地を使った指輪などは多くあり、KISSOさんのディロッカは特に有名ですが、無色透明の生地を使い 大きなダイヤモンドを乗せる試みは めがね業界でも恐らく初めてのはず。
設計図もなくサンプル作りからはじめ、完全手づくりで完成した透明指輪のファーストモデルを見たジュエリー職人さん、「これは行ける!!」と確信されたそう。
メタリックなイメージだと
こうなります
ここからが本当のスタートとなり、指輪の正式な形決めへと移り、ご要望は「とにかく薄く装着感を限りなく無くす」という事だそう。
しかし、アセテートは樹脂ゆえにもろく、薄すぎるものは実用強度に満たないため、基本めがねでも4㎜以下では製造しません。
そこをあえて薄く というご要望に合わせ 何度も連絡確認を取り合い、指輪として成り立つ最薄加工をさせていただきました。
驚きは 指輪の幅よりはるかに大きくはみ出るカラットのダイヤを取り付ける、というもの。
確かにダイヤを最大限主張するにはその形がベストですが、昔からある一般的な均整とれた指輪ばかりを知る私にとって不思議な形状です。
後に知る今の主流、リングは薄く細く、トップに付ける石や飾りは大きく、だそうで 私も勉強になりました。
先日プレゼントのサクラリング
これもカワイイでしょ!
当店の加工内容は、ご依頼通りのリング形状を 2サイズで複数個 0.1㎜精度で仕上げ、ダイヤ取付部の窪みもつけ、最終研磨まで行い納める事。
まずアセテートを削り出し、指輪の形に荒削りされた表面は「ガラ」と呼ばれる研磨機械で3段階ツヤ出し、リング内径は再度リューターで優しく研磨、最後に再度全体をめがね職人(私)の手によって最終ツヤ出ししてようやく完成です。
アセテート製透明リングは、ジュエリー職人さんの手によって、数種類
カラットを変えた天然ダイヤが取り付けられ、再度軽く磨きあげて完成。
後日 担当して頂いた甲府の若きジュエリー職人さんにお願いし、「ダイヤが宙に浮かぶ指輪」の完成画像を送っていただきました。(お見せ出来ないのが本当に残念です)
ダイヤがとっても引き立って見え、綺麗な透明指輪になり喜びもひとしおです。
企画から完成まで、約4か月をかけ出来上がったその指輪は今、某所にて今日も活躍している事を思うと感慨深く、嬉しくて仕方ありません。
お客様にも大変喜ばれ、私にとってかけがえのない仕事・経験となりました。
そして新たな職人さんとコラボすることが出来、双方にとってこの先プラスになると確信が持てる とても有意義な繫がりとなりました。
ジュエリー職人さん、ありがとうございました、またコラボしましょうね!!