事例紹介CASE

TUMI/トゥミ 樹脂丁番折れ 復刻再生 復刻再生

2024年11月1日 金曜日

  • TUMI 樹脂丁番折れ 復刻再生

    復刻前

  • TUMI 樹脂丁番折れ 復刻再生

    復刻後

当店3度目となる「TUMI/トゥミ」の樹脂丁番折れ復刻再生事例です
今回は過去2回と異なる樹脂で新規対応した事例となります
作り手からすると「この時を待っていた」と言える、相応しい事例のご依頼に張り切ります

以前にご紹介している、新規導入済みの3Dプリンターで、新規対応樹脂「ポリアミド/ナイロン」を試す時が来ました
(最新3Dプリンター導入特集ページはこちら
いつでも造形できるよう、すでにポリアミド樹脂フィラメントを購入しており、あとは実例のご依頼を待つという状態でした
この ポリアミド/ナイロン は、めがね業界では有名で、一昔前の樹脂フレームと言えばこの「ナイロン」が主でした
日本では「ナイロン」の名で知られるこの素材、実はその呼び名はアメリカのデュポン社の商品名であり、正式名称はポリアミドです

このポリアミドの特徴を簡単に説明すると、比重が軽く耐熱性もあり、耐衝撃性・耐薬品性・耐摩耗性・といった様々な面で高い耐性を持つ、めがねに向いた素材です
耐熱性の高さから、エンジニアリングプラスチック、通称「エンプラ」とも呼ばれ、その優れたバランス性能からエンプラの中でもよく使われる素材です

ただし、購入したポリアミド素材(フィラメント)は有名メーカー純正の為 割高で、1㎏1万円以上する代物
下手に無駄遣いは出来ずですが、初加工素材の為 今回は目を瞑るしかありません
早速ご案内し、進める事となりましたが、こちらのご依頼主様大変お急ぎとの事

それに応える為 3Dデータは過去のものをそのまま使用する事で、データの作り直す時間を圧縮させます
プリントする為のマシン調整・ポリアミドプリントデータは初となる為、手探りで進めていきます
新しいマシンは進歩が著しく、過去の様に何度も失敗せずともそれなりに仕上がり、しかもプリントスピードも恐ろしく早く、使えます

3Dプリント品を知らない方は結構驚く事実、「仕上がりが均一ではない事」(※コンシューマー向けのもの)
重要なパーツを作る際、1つ必要なら最低4~5個は作ります(私の場合)
この時点で強度がどうかチェックした所、しっかり強度が出ており、今後の仕事に幅・期待が持てそうです
今回は念の為12個作り、その中で「仕上がりの良いもの」を2つ選択し、2次加工します

本来なら、強度が確認できた時点で再度データを作り直し、元に近い大きさに再作する予定でしたが、その時間も無く今回は諦めます
ネジ止め部の穴を再度調整し、テンプルの傾斜や開き具合も順に合わせていきます
(ご使用品になると、フレームがお客様の顔に添う事で少しづつ変形していく為、元パーツ通り作成しても必ずパーツやフレームの再調整が必要となります)

ご依頼主様は とにかく急ぐ と言う事で、全ての工程を特別工程で取り扱い、樹脂丁番の色の違いも問題無し、厚みや質感も問題無し、何とか早く使えるようにして欲しい、のご要望を叶えることが出来ました
(今回はどうしても必要試作素材の為の特別対応です、通常時は期間短縮はお受けしません)

次回同様のご依頼があれば、今度はもう少しスマートな大きさにリモデルしてみたいと思います
ご依頼主様、どうもありがとうございました
強度もバッチリです、万が一何かあっても同パーツですぐに対応させて頂きます、どうぞご安心ください

※過去のTUMI樹脂丁番 復刻再生ページ1はこちら 
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復刻費用 約 20,000円
期間 約 8日間(特別対応)
  • TUMI 樹脂丁番折れ 復刻再生

    外側から

  • TUMI 樹脂丁番折れ 復刻再生

    内側から

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    違和感なし

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    3Dプリント  量産中

 


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