修復前
修復後
カルバンクラインは1960年代後半に設立された アメリカ ニューヨーク発のファッションブランドです。 ブランドとして扱われる品目は洋服のみならず、香水・下着・時計といった幅広い分野で展開しており、知名度も高いブランドでもあります。 今回のご依頼は、左ヨロイが折れてしまったセルフレームの修復再生になります。 セルフレーム丁番の付け方は大きく分けて2タイプありますが、今回の様にヨロイ部分で生地を曲げてカーブを描き、テンプルの方へつながるタイプのものを「曲智 きょくち」と呼びます。 生地を曲げて、と表示しましたが、実際は生地を積み重ね 厚みを持たせた後削り出し 曲げている様に見せています。 レンズが納まるリム部分を上から眺め、ヨロイ側に目を向けると生地の接合部痕跡が分かると思います。 この曲智タイプのセルフレームは、ヨロイ部分で急激に細くなる為、テンプルが開く動作の際 かなり大きな負荷が掛かると、生地の強度が持たず折れる、という現象が起きます。 また、使い続けているとこの部分が広がり、両テンプルを広げた時の幅が広がってしまう特性は避けられません。 セルフレームは構造上生地が薄い(細い)部分が弱くなりがちな為、ブリッジ部分とヨロイ部分で折れる事例が多く、素材が柔軟性・弾性を失う 気温の低い冬の季節が折れやすい時期になります。 寒い時に仕事やスポーツなど 屋外で体を動かす必要性のある方は、TR-90素材で作られためがねを予備用として持ち、気温の低い場所ではそれを使用することをお勧めします。(TR-90素材はマイナス40度でも物性が変化しない為) 話はそれましたが、修復再生は鑑賞保存加工です 今回も極上のツヤを出し美観仕上げをさせて頂きました。 ご依頼主様、ご注文ありがとうございました。
修復費用 | 約 29,000円 |
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期間 | 約4週間 |
修復前
修復後
修復後
屋外の景色が映る程
極上ツヤ加工