復刻前
復刻後
NICOLEは 日本のファッションデザイナー 松田光弘氏が1960年代に 数寄屋橋阪急にブティック「ニコル」をオープンしたのが始まりで、1980年代にはフランスにも進出、パリにもブティックをオープンさせるなど、世界的にも名の知れたブランドです。 今回のご依頼は、フレーム左側の上リム正面側半分が欠けてしまったものを、前枠の復刻再生でご注文いただきました。 元の生地色は少し赤みのある黄透明でしたが、同色が無い為 ランコー色と呼ばれる黄透明生地でのご案内になります。 レンズ付きのセルフレームを復刻再生する際はサイズ調整がとても難しい為、毎回苦労しますが 職人技術の見せ所でもあります。 基本的にメガネのレンズは、レンズがはまる部分の内径サイズを機械が読み取り、その大きさに機械が自動でレンズを削るので簡単ですが、使いこなされたセルフレームは経年劣化で幾分か縮みもあり、レンズとのフレームの干渉具合も違ってくるため、リバースエンジニアリング的 逆側から加工する場合は、存在する立体的なレンズに合わせて内径寸法を手作業で出していく方法になります。 平面であればそれほど難しくありませんが、3次元の立体構造物である為、フレームを手作業で作成出来る所は数えるほどしかありません。 当店のように、お客様の所持品に対する2次加工は、手作業中心となる為、時間と手間が掛かる分費用にも反映されます。 しかし、もし同じ工程をフルに機械で製作するとなると、製図やジグ等の作成が必要になる為、金額は何倍もしますし その金額に対する需要もまずありません。 そのせいもあり、1ユーザー様の1本のめがねの為に、フルに機械で製作する工場は まずありません。 手作業での生産技術と機械による生産技術、どちらも世界ナンバーワンのメガネ生産技術を持つ、めがねのまちさばえ。 その中でも希少な加工技術を当店は持ち合わせており 完成品がその証です、どうかご安心ください。 ご依頼主様、元のレンズはそのままお使いいただけますよ、今回はありがとうございました、どうぞ大切に。
復刻費用 | 約 86,000円 |
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期間 | 約 7週間 |
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