修復前
修復後
グッチは皮革製品・服飾・宝飾・香水など幅広く手掛け、世界で初めてデザイナーの名前を商品に入れたことでも有名です。 今回のご依頼は、白と黒のカラーで作られたリムが印象的な海外製グッチの、左右テンプル合口部分の樹脂割れの修復再生です。 この様に2か所短い間隔に金属が埋め込まれ、貫通した内側にも同じように2ヵ所金属があればカシメという方法で丁番が留められています。 今回の壊れ方はこのカシメタイプであることから特に起きやすい現象です。 カシメ式テンプルの断面構造は、中央に芯材、その周りが樹脂で出来ており、その樹脂の内側(顔側)を削って丁番が納まる部分を作ります。 テンプル外側から層を見ていくと、樹脂、芯材、薄い樹脂、丁番、という順番になり、最後に丁番を固定する為カシメの鋲を取り付けます。 表現を簡単にすると、丁番付近は薄い樹脂と金属がサンドイッチ状になっているのです。 そして樹脂の中央には鋲を通す小さい穴も2つ開ける為、強い力が加わるとその部分から樹脂が割れてしまうので、この様な壊れ方をする傾向が多いです。 だからといって普段ご使用される分には大抵強度は十分なので、ご自身のサイズに合ったメガネを選び、しっかり調整してもらい掛けて頂く分には全く問題ないです。 造りを理解していますので修復も問題なく進み加工付近ののロゴもそのままに、見た目には ほとんどわからない仕上がりとなりました。 今回はカシメタイプの構造を少し掘り下げてお伝えしましたが、ちょっと難しかったでしょうか? 今後も色々な面にスポットを当ててご案内していきますね。
修復費用 | 約 28,000円 |
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期間 | 約3週間 |
修復前
修復後
修復後