ようこそ、めがね修復・復刻保存館 Feel Seeds のホームページに訪問いただきありがとうございます!
今回は よくある質問のひとつ、深い傷でも直りますか?について、比較画像を使って分かりやすくお答えしたいと思います。
先に結論から申し上げますと、黒色のアセテートフレームであれば ほぼ直ります。
その他のものの場合 程度・場所にもよりますが、今回は黒色のフレームに的を絞り 詳しくご紹介していきます。
一般的にキズは磨き処理で落としますが、深い傷になるとフレームの形が崩れてしまう為、落としきれません。
しかし黒色の場合、当店は業界唯一プレミアム加工で深い傷にも対応しています。
百聞は一見に如かず、まずは下記画像をご覧ください。
ビフォー
アフター
上の画像、左の修復前画像を見ると、ヨロイ正面エッジ部分に3つの深い傷、リム正面にも浅いスリキズがあります。
それに対し右の修復後画像は、ウソのようにキズが修復され表面もつるんとしています。
めがね業界人がこの記事を見たら「ウソッ!一体どうやって?」と衝撃が走っていることでしょう!
それほど高度な技術です、分かりやすく言えば、壊れているフレームを直す方がよっぽど簡単です。
修復前
傷の深さは約1.5㎜
修復後
エッジ(角)までも修復
同じフレームを別の角度から写したもので深掘り解説します。
このフレームのヨロイの厚みは6㎜(上から見たヨロイ部分)、そこへ深さ約1.5㎜ほどの深い傷があります。
この深さ、磨き・削りで対処できるものではありません。
もしも無理矢理 磨きで対処する場合、エッヂ(角)部分を有り得ない程丸くするしかありません。
(キズの一番版深い所まで削り落とす必要がある為)
一般的に磨きで落とせるキズの深さは約0.5㎜程度、テンプルなど平らで広い部分ならば、もう少しキズが深くても磨き落とせる場合もありますが、先述の通り めがねの外観を大きく損ねてしまう為、落とせるキズの深さには限界があります。
また、いくらテンプルであっても深すぎるキズの場合 注意が必要です。
それは、表面を削り過ぎると中にある芯まで到達し、テンプルの強度が落ち、露出した芯からサビや緑青が発生しやすくなる為です。
修復前
正面広範囲スリキズ
修復後
すべて綺麗に修復
深いキズを落とす為には、キズまわりの離れた部分から少しづつ削っていき、一番深く削る所がキズの最深部になるように、といった
加工をする必要があります。
「裾野の広がるなだらかな山」を逆にしたようなイメージで加工する事で見た目にも自然に仕上がります。
なので広い部分であれば比較的処理痕を残さず(目立たず)加工できる訳ですが、エッジ(角)やアウトラインのバランスもあり、処理にも限界があります。
特に転んで付いたキズなどは 大抵エッジ部分に深い傷が入ります、それを処理して角が丸くなると 全体的な見た目のバランスが著しく悪く、傷痕を落としきるのはお勧めしません。
しかし黒色の場合、色の特性を生かし 透明系の色より格段に美品仕上げが可能になります。
逆に透明系の色は黒と比較すると、傷跡や加工跡残りが目立ちやすくなります。
キズを目立たなくさせる為には、色もとても重要なんです、ご理解いただけましたでしょうか。
色による特性と独自の技術をうまく使う、だからこそ当店が手掛ける「黒色フレームの仕上り」は格別で極上なのです。
最後に
今回はセルフレームの深いキズなおしについて、黒色のフレーム限定ですが実例を交え 詳しくご紹介しました。
ワンちゃんに激しく噛まれたフレームなども、状況によっては綺麗に直ります。
また、軽度のキズであれば透明系のフレームでも綺麗になおります。
キズ落としだけでなく、艶出しなどももちろん同様です、過去の事例もぜひ合わせてご覧ください。
次回 機会があれば透明系のフレームも特集してみたいと思います、どうぞお楽しみに。
以上、深い傷でも直りますか?についてご紹介しました。
※過去に掲載した キズ落とし・研磨 事例
1 白化落とし はこちら
2 極度劣化フレーム1 はこちら
極度劣化フレーム2 はこちら
3 エフェクターへこみなおし はこちら
4 GUCCI へこみなおし はこちら
5 トム・フォード へこみなおし はこちら
6 タートオプティカル キズ落とし はこちら
7 トム・フォード 全体艶出し はこちら
8 イエローズプラス 黄ばみ落とし はこちら