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めがねに欠かせない技法 溶着・張り合わせ 新着情報

2024年6月28日 金曜日

めがねに欠かせない技法 溶着・張り合わせ を紹介します

ようこそ! めがね修復・復刻保存館 Feel Seeds のホームページへ訪問いただき ありがとうございます

今回は、アセテート・セルロイドフレーム(以下セルフレーム)に欠かせない技法の「溶着・張り合わせ」を深掘り紹介したいと思います
セルフレームご愛用の方も知らない人が多い 溶着・張り合わせ という技法、その字の通り「溶かして密着させる・生地同士を張って合わせる」事を指します
普段何気なく使っているセルフレーム、実は溶着・張り合わせして出来ているものがほとんどです
張り合わせをすると、めがねのデザイン・表現・フィッティング・などの幅が増え、良い事がグッと増します
セルフレームに欠かせない「鼻当て部分」も実は溶着して取り付けています
今回、それらを画像と共に わかりやすくご紹介していきます、どうぞ最後までご覧ください

  • 曲智 特集

    上部から

  • 曲智 特集

    側面から

代表的な張り合わせ表現のひとつ、曲智/きょくち は、ヨロイを曲げて作ったかのような見た目からその名が付いています
上記画像のヨロイは、厚みのあるモデルの為 曲げたように見えませんが、独特のストライプ柄の為、張り合わせ面がよくわかります
過去にもご紹介している「めがね素材の製造時の厚み規格」は決まっており、それ以上が必要な時は このように張り合わせをします
これをする事で、ボリューム感・強度・側面のデザイン・テンプルの長さ・フレーム幅・などにバリエーションを付けることが出来、
表現が広がります

  • 曲智 特集

    トムフォード 側面

  • 曲智 特集

    トムフォード 上部

次に街中でよく見かけるトムフォード、こちらはいかにも「ヨロイを曲げて作った」感が出ていますが、上記 側面画像から分かる通り、
途中で張り合わせています
この技法があり厚みが出せるお陰で、このTマーク飾りを埋め込むことが出来る訳ですね
このTマーク飾りを埋め込む厚みを出す為もあって、トムフォードは「曲智のモデルを多く採用」しているようです
製造技法が「ブランドイメージを付ける為」のお役に立っているんですね

  • 曲智 特集

    JF Rey 側面

  • 曲智 特集

    JF Rey 上部

お次はサイドシェイプが特徴的なこちらのJF Rey、側面画像をよく見ると、やはり張り合わせて作られています
こちらのブランドでは、張り合わせで面を広く作る事で、デザイン性あるサイドシェイプを作っています
その流れがテンプルへと繫がり、一体性のある先進的フォルムを生み出している訳ですね
しかも独特のデザインでうまく厚みを持たせ、そこに生まれたスペースに丁番を埋め込んでおり、デザイナーさんの知恵がキラリ

  • 張り合わせ

    張り合わせ時に羽を封入

  • 張り合わせ痕

    するとこんな表現が可能

上記画像は、過去の張り合わせ特集でお見せしているフレーム、張り合わせの際 鳥の羽を挟む事で、独自の世界観を持つ表現となっています
天然素材との融合が美しい表現方法なんて、素敵ですね
これは、羽が薄い為 可能にすることが出来た、といえます
厚みがある複雑な形状のものを封入すると、張り合わせる際 隙間が出来て気泡が入りやすく、仕上がりが汚くなってしまうからなんです

  • 曲智 特集

    lafont/ラフォン
    正面は水玉模様

  • 曲智 特集

    側面見れば3色張り合わせ
    正面から紫・青・ピンク

こちらの水玉模様は lafont/ラフォン というフランスのブランド
この水玉模様、表現するには前後+水玉をくり抜いて溶着、という難易度高い技術を使っています
平面同士を溶かして張るものとはレベルが桁違いに高いもの、しかも3層構造とオンパレードです
ヨーロッパの先進技術では、「フリクション技法」という、摩擦熱で素材同士を溶かし着ける方法、を使うブランドがあるそうで、
より高度な表現に対応できるのだとか(上記モデルもそれと思われます)

  • 紳士用フレーム モダン 復刻再生

    芯張りモダンもこの技法
    アセチ板材で挟み込む

  • 張り合わせ・溶着

    鼻盛りは溶着
    対応素材は セル・アセチ

もっと身近な所(最近は随分減りましたが)で言えば、高額フレームに多い「芯張りモダン」があります
テンプル芯と一体化している為、ズレたり抜けたりすることは無く、隙間ない透明なモダンはとても綺麗です
また、セル・アセテート素材の鼻盛りは、基本溶着でつけられています
それを思うと、鯖江産セルフレームの多くに使われる技術、ということになりますね

 

実際のフレームを通し、溶かして付ける「溶着・張り合わせ」をご紹介しました
これらのフレームすべてが、掛け心地や見た目などのデザイン性、フレーム独自の表現など、使う人にとってプラスとなるよう考えられ、その技術が使われています

別の見方で言えば、「一体成型」のように 型に流し込んで作られるフレームは、そもそも溶着が出来ない為、「安価で表現力が乏しい」訳です
また、一体成型で作る理由には 安価に製造する為もあり、その金型代に表現豊かになるような高額を使う事は まずありません
それを表現力豊かにするならば、塗装による配色や 奇抜なオーナメントを取り付けるぐらいしか方法がないのですね
磨けば光沢が甦るセルフレームと違い、一体成型品は磨けず、永く使う為には取り扱いに様々注意が必要です

これらを思えば 気付かない部分にも「MADE ㏌ SABAE」のめがねがいかに高品質・究極を追求した見た目・かけ心地 であるかが分かります
今日からあなたも「違いが分かる人」になった訳ですから、新規購入時はぜひ鯖江産のめがねを選んで下さいね
以上、めがねに欠かせない技法 溶着・張り合わせ の特集でした
※前回の張り合わせ特集掲載はこちら


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