特にめがねの上部に
白化が見られます
内側 ほぼ影響なし
シルク印刷も綺麗
通常ならこの辺が
一番劣化激しいはず
他フレームの通常白化
鼻・頬周辺から劣化
いつも めがね修復・復刻保存館 フィールシーズをご利用いただきありがとうございます。
今回は、誰もが早く終わりにしたい「マスク生活」の影響が、めがねの劣化(白化)に繋がる?という話題にクローズアップしてみます。
当店でも過去に複数回特集しているセルフレーム(セルロイド・アセテートを指します)の経年劣化、「縮み・白化・ひび割れ」などが主ですが、中でも一番早く症状が発生する例が多く、最も目立つ「白化」、どうも長引くマスク生活がその影響に滑車をかているようです。
まず、めがねが白化するメカニズムから解説しますと、汗・皮脂などの油分や整髪剤などが付いた状態で放置すると、酸性であるセルフレームが化学反応を起こし、徐々に油分が抜けて乾燥し 白くなっていく、というものです。
また、しっかりお手入れをしていても、長年使う事によって少しづつ表面がくもり白化していきます。
セルロイド・アセテートは、熱可塑性プラスチックの特性上熱にも弱く、熱いお湯に浸しても白化する場合があり、よく使い込んだフレームほど顕著に表れます。
意外な所では、お湯の入った超音波洗浄機でうっかり洗浄すると、真っ白になる場合があり要注意です。
では本題に入りまして、長引くマスク生活がセルフレームの白化を早める・繋がる話をします。
当店並びに運営元の 鈴木眼鏡工業㈱ に送られてくるセルフレームの磨き直し(白化などの除去・艶出し)は、近年増加しています。
その中で、従来ではほとんど見かけない症状の白化を見ることが最近多く、様々な可能性を考慮した結果、マスク生活によるものの可能性が高いと推測できるものが増えていることに気付きました。
通常白化は上記メカニズムにより、基本肌が触れる または、汚れが付着した部分に起こるものですが、画像のフレームはそうではありません。
その症状は肌が触れない部分にしか起きておらず、めがねを通常使用した際、一般的に最初に白化症状が出る場所ではありません。
これは、他の部分が正常なのを見れば、何か外的要因が起きたと考えられます。
今現在日常生活において、顔周辺で白化原因となるものと言えば、そう、マスク着用による吐く息の流れにより、湿度の高い温かい空気が長時間
めがねに触れ、比較的短期間で白化していったものと考えられます。
この2~3年、肌が触れない部分のくもり・白化除去のご依頼が確実に増え 思案し、この原因が高確率だと判断しました。
では、原因がわかった所でどのように予防したらよいのか、をいくつか紹介します。
●まず、なるべくマスクを付けない生活を送る、です。
これは環境によって、厳しい方も多いかと思いますが、出来る所ではなるべくマスクを外し、めがねを湿らさない事が大事です。
●次に、こまめに拭く、です。
昼食時や休憩時間など、合間を見てメガネ拭きで全体をこまめに拭きとる事で、劣化を遅らせることが出来ます。
●究極の方法として、マスク時間が長い時はチタンフレームを併用する、というのも一つの手です。
メタルフレームの主材料であるチタンは耐食性に優れ、海水・塩水に強いだけでなく、耐熱性も優れ肌に優しい金属です。
お気に入りのセルフレームを長く愛用する為に、チタンフレームを併用して使うというのは、何かにそなえ予備のめがねを持つという事以外にも、様々な観点から一番おすすめです。
まだしばらくマスク生活が終える事はありませんが、大きな原因のひとつを知る事で予防に繋がればと思います。
それでも白化してしまったら、早めに当店 フィールシーズ へ除去のお問合せ・ご依頼ください。
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みなさんも色々と工夫をして、快適なめがねライフを送ってくださいね。
※過去の経年劣化特集はこちら ➡ その1
その2