趣のある天然の模様
いつも めがね修復・復刻保存館 フィールシーズをご利用いただきありがとうございます。
今回は大変珍しい、『マンモスの牙で作られためがね』を紹介します。
めがね業界に30年以上 身を置く私も、マンモスの牙製めがねは初めて見るほどのレアな素材。
実はめがね、過去からいろんな動物の素材で作られています。
当ホームページ 複数掲載でお馴染みのべっ甲(ウミガメの甲羅)をはじめ、中村勘三郎シリーズのシープホーン(羊の角)、べっ甲の次に多く出回るバッファローホーン(水牛の角)、そしてレアな所ではクジラのひげ、など。
消えかけたMAMMUTの文字
一般的に 象の牙である「象牙」は印鑑などで使われよく知られていますが、絶滅し 地層や氷河の中から発掘される マンモスの牙 は素材として加工販売されているものかどうかも知らない存在でした。
今回、記事作成にあたり調べてみたら、なんとビックリ 普通に販売されているではありませんか!!
現存しない太古の生物の化石を 加工・販売している訳ですからとても驚きましたが、在庫量も限られており希少なのは言うまでもありません。
それらの理由もあって、今回このめがねが 本物のマンモスの牙かどうかの確認も必要でした。
水牛の角と同様の質感
結論、ホームページ上で掲載しましたので、ほぼ本物で間違いない、との見解に至りました。
理由① 右テンプル内側の「MAMMUT」の刻印
理由② テンプル外側の色柄模様
理由③ 動物の角・牙によくある質感
特に①と②は大きな決定項目となりました。
MAMMUT(マムート)とは、ドイツ語でマンモスを意味し、世界的には同名のスイス発 アウトドアブランドが有名で、ロゴマークもマンモスそのものです。
別素材にマムートと刻印する意味が無いですからね。
この色柄模様がマンモスの決め手に
そしてテンプル外側の柄模様、これが決定打でした。
著作権の関係上、画像を掲載出来ませんが、ぜひ皆さんもグーグルで検索し画像を見比べて下さい。
恐らく牙の表面部分だと思いますが、この天然模様・色は 他の動物の角や牙には見られない模様です。
また、全体的に内側の質感はバッファローホーンのように、竹の筋を思わせるもので、動物から採れたものであることが分かります。
このめがね、右テンプルのバネ丁番修理ということで 鈴木眼鏡工業株式会社に修理依頼があったものですが、私も生まれて初めて見る素材にちょっと興奮してしまい、これは紹介しないと!!と思い掲載しました。
(もちろん修理も無事完了しましたよ)
これからも 様々な”レアもの” 紹介していきます、どうぞお楽しみに。
2022/12月 追記
珍しいめがね第2弾!! 表裏逆構造 バレンシアガ
はこちら ➡ https://www.feelseeds.jp/information/archives/190