復刻前
復刻後
今回は特別な事例のご紹介です。 めがね修復・復刻保存館 フィールシーズでは、べっ甲や18金などの高額な材料のメガネフレームは基本的に取り扱っていません。 理由は簡単、素材のリスクに対する補償が出来ないからです。 今回のご依頼品の素材はべっ甲の為、お断りしようと思った所、べっ甲ではなく樹脂で復刻再生して欲しいというものでした。 そういったご用件ならと復刻再生のご依頼ををお受けした次第です。 色合いや質感など十分に打ち合わせを行ってから加工に入りました。 べっ甲は硬い素材であるため、テンプル中央に金属の芯材は必要ありませんが、アセテートで作る場合そうはいきません。 出来上がりは色こそ違えど遜色なく出来ました。 下画像は復刻テンプルの色が濃く映っていますが、実際は一番左の画像のようにさほど違和感なく仕上がっています。 また、ご依頼主様曰く、べっ甲素材のことも知りたい人は沢山いるはず、との事でしたので少しだけ。 基本的にべっ甲製品は素材の欠片を張り合わせて加工し作られています。 劣化してくると張り合わせの部分や素材間の層の部分から白く剥離したように見えてきます。 早い段階で研磨など処理を行えば永く綺麗に保ち、使用することが出来ます。 やはり何事も初期段階のうちに適切な処置を、ということですね。
復刻費用 | 約45,000円 |
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期間 | 約 5週間 |
復刻後
元テンプルと比較
元テンプルと比較
べっ甲劣化の特徴