復刻前
復刻後
年代物の紳士用ブローフレーム、その見た目から1960~70年代製造のヴィンテージ品かと想像します
右ブローのネジ穴部で割れてしまい、セルロイド特有の「周辺がクラックだらけ」これは加水分解が進んだ状態です
この状態では修復不可能となり、復刻再生でご案内・ご依頼となりました
かなり昔のこのフレーム、そのシンプルな作りによって、壊れにくく長持ちする構造であることは、今尚綺麗な金属部分が物語ります
過去の特集でもお伝えしている「壊れにくいめがね」とは、構造を究極に簡素化し、余計を省く事によって生み出されました
※過去の「壊れにくいめがねとは?」特集ページはこちら
現代では、差別化を図る為の装飾や構造が、めがねそのものの強度を低下させている事につながるのも事実
一般的にセルフレームの寿命は3~5年程度、メタルフレームは5~7年程度と言われる事を思えば、このフレームは扱いが大変丁寧で、その方の顔になっているものと想像できます
そしてこれから先の人生も共に歩む相棒として、復刻再生を望まれる姿は、めがねにとって「この上ない喜び」に違いありません
ひとつのご依頼から そんな背景を思い描きながら加工する手にも思いを込めます
昔ながらのビール茶と呼ぶ生地色も功を奏し、元ある姿に復刻しました
きっと今頃、ご主人様の瞳の上の定位置で、共に流れる時を楽しく過ごしているのではないでしょうか
ご依頼主様、どうもありがとうございました、どうぞ大切になさって下さい
※大切なヴィンテージフレームでお困りの方はこちらから
復刻費用 | 約45,000円 |
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期間 | 約 5週間 |
クラックもひどい
復刻・取り換え完了
ビール茶の生地
メッキ無しの丁番は
ヴィンテージの証