お知らせINFORMATION

TITANの表示なら何でも指輪加工出来ますか? よくある質問

2019年12月10日 火曜日

β Titanium表示でも指輪加工出来ますか?

T-β テンプルがベータチタン

いつも めがね修復・復刻保存館 フィールシーズをご利用いただきありがとうございます。
今回は色々なチタンの表示でも指輪が加工出来るか、のお問合せにお答えしながら、他のチタンの特徴をお知らせします。
この左画像はベータチタンと呼ばれ、一般的にメガネに多く使われるチタンよりも固く弾力性があるのが主な特徴です。
その特性からメガネではテンプルに使用されることが多く、厚みが薄く加工されているものがほとんどです。
曲げても竹のようにしなり元に戻る復元力がある為、指輪加工が出来ない場合が多く、要相談とさせていただきます。
メガネをはずした状態で持ち、テンプル中央を軽く内側に力を入れて少し曲げてもらい、形状が曲がったまま戻らなければ指輪加工出来る可能性があります。

 

T-NT表示

F-TITAN フロントがチタン
T-NT テンプルがNT合金

この左画像のT-NTはテンプルがNT合金である証拠です。
NT合金はニッケルのNとチタンのTのことであり、この2つの素材を混ぜ合わせて作られた混合材の名称です。
一般的に形状記憶合金とも呼ばれ、ある温度以下で変形させたものが過熱によって元の形状に戻る形状記憶と、故意に曲げても元の形状に戻る超弾性の特性を合わせ持つ素材です。
このNT合金はメガネでテンプルやブリッチに使われることがほとんどです。
素材特性上あまり細かい細工は不向きな為、細かな装飾がされていることはほぼありません。
この素材は残念ですが指輪加工出来ません。

 

β Titanium表示でも指輪加工出来ますか?

T/Ti-C テンプルがチタンクラッド

この左画像のT/Ti-Cはテンプルがチタンクラッドであるという表示です。(この様に金属自体に印を押し凹ませて表示する方法を刻印・打刻と呼びます)
母材(中心材)はチタンを使用していますが、表面にニッケルやクロム材を張りロー付けなど加工の簡素化や、チタンのみを使用するより低コストで加工出来る事などからひと昔前に数多く見掛けました。
現在では加工技術も上がり、使われる事はほぼありません。
母材の周りに別素材が張ってあり、(巻いてあり)メッキを含めると3層以上の構造になっており、加工によって層がめくれてくる為、指輪加工は出来ません。

 

β Titanium表示でも指輪加工出来ますか?

ALL  TITAN-P 全体がチタン
IP イオンプレーティングメッキ

この左画像のIPは素材のことではなく表面処理、いわゆるメッキの事を指しています。
正式名称はイオンプレーティングと言い、メッキの強度はとても高く、様々な分野で使われています。
通常のメッキは湿式と呼ばれ、浴槽の中にメッキ液を入れて、そこにメッキしたい対象物を浸けて通電し電気分解して付ける、というようなイメージですが、イオンプレーティングは乾式と呼ばれ、真空にした釜の中にチタンなどの蒸着材を入れ、放電することでイオン化し、メッキしたい対象物に付着させる(被膜が形成される)というようなイメージですが、表現が難しいので皆さんもぜひご自身で調べてみて下さい。
IPは素材ではありませんが、素材表示の横によくありますので参考までに。
結論、指輪加工出来るチタン系素材は?
1 TITAN-Pは出来ます(ALL  TITANも含む)
2 βチタンは一度問い合わせを
3 NTとTi-cは出来ません
4 IPは素材のことではありません
ということになります。


〒916-0041福井県鯖江市東鯖江2-817-1

TEL:0778-51-3141(受付 9:00~17:30)

FAX:0778-51-3141

©2019 - 2025 めがね修復・復刻保存館 All rights reserved.