曲線美
精巧なバネ
立体的マスク
重厚な厚み
ようこそ、めがね修復・復刻保存館 フィールシーズ のホームページに訪問いただきありがとうございます!
今回は、めがね修復マイスターの私が選んだ、Made in Japan アセテートフレーム最高峰、「FACTORY 900/ファクトリーキュウヒャク」を紹介します。
このFACYORY900、初めて聞く方もいるのではないでしょうか。
FACTORY900 は、2000年にスタートした青山眼鏡株式会社の自社ブランドであり、ブランド名は眼鏡工業組合員番号の900番に由来した、工場番号900番の意を持ちます。(FACTORY900 ホームページより)
著名人では、宮川大輔氏が愛用しているのが有名です。
画像掲載はたった1モデルですが、そこから漂う唯一無二の圧倒的存在感、削り出して作られたとは思えない曲線と厚み、重厚かつ立体的なその美しさは他に類を見ません。
また、その美しいフォルムは世界的にも認められ、香港・パリ・イタリア・ドイツ・日本と、世界各国で数々のデザイン賞を獲得するほどに。
その奇抜でもあり美しくもある独創的デザインは、日本国内でもあっとゆうまに話題になり、今や直営店をはじめとするパートナーショップは国内に5店舗を展開し、取扱店も徐々に増加しています。
しかし名前を知らない人がまだまだいるのは、手間暇惜しまず作られた証である価格・多き手間故 出来ない大量生産・ブランドコンセプトを守る為の販路戦略、など様々が考えられます。
今まで何十万本のめがねを見てきた私が思う、これこそ日本国産めがねの最高峰、と思えるほど技術の粋が詰まっています。
それは決して自己満足的なものでなく、人々に受け入れられる飛び抜けた圧倒的デザインと掛け心地の追求と実現。
バネ機能のある特殊な独自開発丁番のテンションも心地よく、大ぶりなめがねなのに優しく顔が包み込まれます。
一般的にアセテート素材の厚みは8㎜・6㎜・5㎜・4㎜とあり、世にあるアセテート製フレームの99%はこの中の厚みで作られます。
しかしどうでしょう、このFACYORY900はざっと見ても25㎜以上、ひょっとすると35㎜ほどあるかもしれません。
これを削り出して作る為には、独自で厚い素材を作る必要があり、そこから削り出して作る以上 素材の無駄も計り知れません。
あえてそれを行う企業姿勢、大変驚かされます。
それらひとつひとつの妥協を許さない 努力を重ねた結晶がめがねに詰まっています。
今回のモデルは全体磨きのご依頼でしたが、そのフォルム故、みがくのも通常フレームの3倍は手間が掛かります。
ですがこのような日本の技術力をしっかりアピールできるめがね、今後も作り続けてもらいたいですね。
今はまだ どの街角でも見れるめがねではないかもしれませんが、もし見掛けたら手に取ってその美しさ、体感してみてください。
今回は「FACTORY900」の紹介でした。