復刻前
復刻後
紳士用フレームのモダン部分が経年劣化の為ヒビ割れや白化をおこし、復刻再生のご依頼となりました。 今回はこのモダン部分の復刻工程(芯張り)を少し詳しく解説します。
大まかな手順は
1.元のモダンをはずし芯を真っ直ぐにする
2.四角く短冊状にしたプラ生地2枚の片面づつを専用の薬品で溶かし、その溶かした面の中央に芯をサンドイッチ状に挟み込んで乾燥
させる。(下の写真中央) ブルーのテープを貼ってあるのはテンプルに傷をつけなくする為
3.乾燥し終えたプラ生地を元のモダンの形状に削り、最後に磨き上げる。
とまあ簡単に説明しますとこの様な作業工程になるのですが、実際手作業で行うと約20工程ほど必要になります。
普段何気なく掛けているめがねの耳あて部分も、こんな背景があると思うと、また違った感覚で見れますね。 この芯張りという作業、めがねの低価格化も重なり、ここ産地鯖江でも専門でやっている所がほとんどありません。 なので芯張りモダンの代用品として既製品のモダンがあるわけです。 ですが、あくまで既製品ですので今付いているものと同じものを求める場合、特徴的な形状であったり、特殊な色柄のものは無く、そういったものは芯張りの方法に頼るしかありません。 安く手に入るものは消費者にとって有難いことですが、それを手作業で行うと時間や労力は何倍にもなってしまい、お求めやすい価格ではなくなってしまいますが、機械生産にはない手作りの良さが必ずそこにはあり、所有する人の満足度の高い、唯一無二のアイテムになると思います。 今後も機械では出来ない、手作り・ものづくりの良さを伝え作り続けて行きますのでご支援、ご協力お願いします。
復刻費用 | 約40,000円 |
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期間 | 約4週間 |
復刻前
復刻中
復刻後