イタリアのファッションブランドであるマルニの左ヨロイとテンプル飾り金具折れの復刻再生ご依頼です。　　この金具を調べた所、鋳物だということが判明し、一般的には復刻再生で同型を作るしか選択肢がありません。　　この鋳物は鋳造方式で作られた物を指しますが、めがねでも細かい飾り細工などは鋳造方式のものが多いです。　　鋳造方式とは融点の低い金属を液体状に溶かして型に流し込み、冷やし固める方法を言います。　　融点が低い金属の為、作業が高温になる溶接ではその温度で先に溶けてしまう為不向きな訳です。　　この金具、小さくてあまり飾りっ気ないですが、表面がカーブのある曲面の為、元の形に近いものを作るには高い技術と時間を要します。　　人間の目はとても精工に出来ていまして、1㎜未満の誤差でも見た目の違和感を覚えますので、ぱっと見似ている、と言えるように仕上げるのは至難の業なんです。　　今回のこの金具、手作業で作れる所・お仕事として引き受けることが出来る所、はここ鯖江でもなかなか無いですよ。　　きっとご依頼主様も完成品を手にされたとき、職人の仕事を感じ取って下さることと思います。　　大切になさって下さい。