
復刻前

復刻後
形が気に入り購入された1940年代製造らしきヴィンテージのセルロイドフレーム
ファッションアイテムとして使用の為、度無しレンズを入れようとショップを訪ねるも「亀裂があり触れない」と言われ途方に暮れたそう
そんな中、ネットで検索し当店を見付け お問い合わせいただいた所からのスタートとなりました
最近多くのお問い合わせ・ご依頼を頂くヴィンテージフレーム
すべてのお客様へ、リスクが高い事・破損時の責任が持てない事・破損してもそこまでの手間賃はいただく事・をご説明 ご理解いただいた後に加工を進めます
こちらのご依頼主様もご理解いただいた上で加工となりましたが、実際拝見すると右テンプル丁番も切れています
しかもこの丁番は珍しく「アルミ製」でした
アルミで出来たフレームやパーツの場合強度が出ず、そのものの修復は出来ません
そのため今回は類似丁番を新たに作る事にします
この丁番の止め方はカシメと呼ばれる2ピンのお尻側を潰して止める(リベット式)のようなもの
ただしヴィンテージフレームに力が加わる加工は危険すぎる為、見た目は変えず違う止め方で対応します
特別な止め方の為、見た目を元に合わせる工夫も凝らし、丁番の復元を終えます
レンズを入れる際に言われた「亀裂や気泡」ですが、確かに複数個所にそれらしきものが確認出来ます
数多くヴィンテージフレームを見てきましたが、セルロイドの精製技術が良くない?素材内部に気泡が見られるものは初めてです
こちらは当店ならではのご提案「全体をコーティング」する事で外側からガッチリ固め、内部からの破損リスクを最小限に抑えます
最後に待つハードルの「レンズ入れ」、フレームがフラットに近い為非球面レンズで対応し、慎重に行います
結果コーティング剥がれも無く、綺麗に仕上がり完成となりました
いくつもの苦難を乗り越え完成品を手にされたご依頼主様、「80年前の技術と現代の技術とがお互いを高め合う唯一無二の物に仕上げていただけたこと、改めて感謝申し上げます」とお言葉を頂くことが出来ました
ヴィンテージフレームが故起きてしまった想定外の数々、それらに今回はうまく対応することが出来ました
ヴィンテージフレームをお持ちでこの記事をご覧の皆様、リスクが高くても何とかして欲しい、といった場合は一度お問い合わせ下さい
しかし必ずうまくいくとは限りません、ヴィンテージを所有するとはそういうものである事をご理解ください
ご依頼主様、どうもありがとうございました、どうぞ末永く大切になさって下さい
| 復刻費用 | 約 31,000円 (特別価格) |
|---|---|
| 期間 | 約 6週間 |

下側が新規作製パーツ

丁番取付完了

綺麗にコーティング済み

艶やかに完成