復刻前
復刻後
ブリッジ部にバネ性を持たせ、鼻を挟み込んで着用する、特殊なフレーム ヴィンテージのフィンチ
過去に数回手掛けた貴重な「めがねの歴史的遺産」と言っても過言ではないものです(製造年代にもよります)
今回のはフィンチは、過去に当店で修復を手掛けたものの再破損し、それなら復刻した方が安心できる、と 再びご依頼を頂きました
修復業にとって一番のNGは「再破損」です
また壊れないよう最大限を施し、持ち主様にお渡しするのが使命ですが、見通しが甘くご迷惑をお掛けした事例となりました
補償期間内再破損の場合、速やかに無償で対応させて頂きます
今回は新たに復刻のご依頼となりましたが、当然再破損したブリッジも修復させて頂きます(万が一の予備として所有されるとの事)
復刻で作る場合、その見た目と強度が同等でなければならず、元素材の極薄ステンレス(約0.3㎜)で同様のバネ性が得られるものが周囲にありません
鼻を「いい塩梅の力加減」で挟み込み、簡単に広がってしまわない素材、尚且つ薄さと強度と耐食性のあるもの、という難解な問題にめがねで有名な素材「ベータチタン」が役立ちました
ピッタリな素材「ベータチタン」とは、純チタンに他の金属を加え機能を向上させたチタンです
その特徴は 弾力性高く軽量で高強度、更に耐食性も高くめがねフレームには最適な素材です
今回はこのベータチタン材を加工しブリッジパーツを作っていきます
チタンは難加工素材ですが、それに加え幅・厚み共に薄い為加工も一苦労します
同程度の厚みで弾力性を確認し、板材から必要の長さ分を切り出し、ネジ穴を作成していきます
研摩で光沢を出し、元に合わせ くびれのある曲げ加工もしていきます
最後にもう一度研磨し、フレームに取付て最終チェックで具合確認をします
結果、元と遜色ないバネ性・見た目・軽量のベータチタン製ブリッジが完成しました
ご依頼主様の手に渡り「チタンの具合、とてもいいです」とご評価を頂け安心しました
ご依頼主様、今回は再加工で大変ご迷惑をお掛けしました
復刻再生パーツは この先更に末永くご愛用頂けるものと思います、どうぞ大切になさって下さい
どうもありがとうございました
復刻費用 | 特別価格 |
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期間 | 約 3週間 |
復刻前
復刻 取付後
新旧比較
左側が復刻 新パーツ
ありがとうございました