修復前
修復後
杉本圭(すぎもとけい) は、エッジの効いた独創性のあるデザインに加え、掛け心地・見え方にもこだわり続けるブランド
(同社HPより抜粋)
その謳い文句通り、外面はエッヂを強調したスクエアデザインが目を惹き、対象に内面は なだらかな曲線で肌への感触を優しくするこだわりが見られ、その追求したデザインと機能は国内外で高い評価を得ています
今回はそんな「杉本圭」ブランドのウッドフレーム、左リム割れの修復事例になります
ブリッジ下とヨロイ下側の2ヵ所で割れる、この様な破損は強い衝撃が加わったものからと想像できます
木や竹などで作られたメガネフレームは、木材の繊維方向に沿って割れる事が多く、その場合は破断面が綺麗な為、修復の際も目立ちにくい仕上がりになりやすいです(竹を割ったようなの表現通りです)
一方、木材の繊維方向に逆らい無理に曲げて折れたりした場合、裂けたような破断面になる事があり、修復痕は目立ちやすくなります
ショップで購入される際は、曲げ調整が出来ない事はしっかりと説明されるかと思います
そして、繊維方向強度の関係から、木や竹で作られるめがねの木目は、顔のカーブに並行し基本横向きであると思います
これは、めがねを掛けた時の広がりに対し、強度が出る構造にする為であろうと想像します(縦向きの場合裂けやすくなる為)
プチ情報はこの辺でおきまして、こちらのフレームなんと、藍染めのようなブルーが内部までしっかり浸透しており、修復後の仕上がり品質を上げます
一般的なウッドフレームの場合、表面だけ染色やコートがされており、加工による均しや研磨で色落ちなどが起きたりします
こちらはそれがない分 材料にも一手間掛けている、と言うのが分かりますね
さて肝心の仕上がりは、いかがでしょうか
破断面の跡、ウッド独特の光沢、繋目の自然さ、など見て頂ければ一目瞭然です
今回も極上の仕上がりにさせていただきました
ご依頼主様、どうもありがとうございました
修復費用 | 約 32,000円 |
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期間 | 約 4週間 |
修復後 正面
鼻側 破損部アップ
ヨロイ側 破損部アップ
エッヂの効いたモデル