移植前
移植後
イタリア発の高級宝飾ブランド BVLGARI/ブルガリ は、宝石・時計・めがね・香水・バッグ・等 品目多く取り扱い、高級リゾートホテル経営まで行う誰もが知るブランド。
いよいよ今年最後の事例掲載は、クリスマスプレゼントに相応しい、特別なご縁で繋がった、特殊な事例になります。
当店運営元、鈴木眼鏡工業(株)で繫がりあるお客様から相談を受け、あまりの特殊さにフィールシーズで加工担当する事となりました。
以前にフロント側は再メッキしていましたが、テンプルとの差に「テンプルも何とかメッキして欲しい」とお客様。
見ればそれもそのはずですが、今までテンプルが再メッキ出来なかった理由があります。
理由① 曲がり部で亀裂の入った長モダン 理由② 合計120個の宝石 理由③ 芯張りできないテンプル芯
これらのことから通常ではテンプルの再メッキは行うことが出来ず、廃番品の為パーツも存在していません。
メッキを行うにはモダンを外す必要がありますが、こちらのモダン ヘアカラーによる色移りの為、過去に何度も磨きを掛けた結果、細くなりすぎ亀裂が入るまでに。
また、中の芯が透けて見えるほど細いテンプルはこれ以上磨けず、曲がり部を中心に更に全体色移りしています。
しかも宝石が入る部分、扇状が3つ連なる形状は 芯張りの機械にも入らず、この綺麗な柄入り長モダンの対処をクリアしなければ先へ進めず、考えた挙句、「同じ様な柄の長モダンを探し移植する」という人海戦術。
結果、奇跡的にほぼ同じ柄模様の長モダン「最後の1ペア」に辿り着くことが出来ました。
モダンの難題がクリアできれば、もう当店の得意分野、修復劇場 お任せあれ!です。
テンプルはしっかり磨き上げ、綺麗にメッキ付け完成。
モダン表側BVLGARIロゴを残し、出来るだけ丁番側でモダン移植する事で、今後のモダン磨きによる痩せを考慮します。
テンプル内側はもう一段階手間をかけ、繋目を分かりにくく、溶着強度を増します。
クライマックスは大中小合わせて120個の宝石取り付け、予め大中小の入る場所を書き残しておき、それに沿います。
ひとつひとつ手付で入れ込む工程は、徐々に積み上がるピラミッドのようで、興味深い加工体験となりました。
きっとネイリストの方は「こんな気持ちで仕事しているんだろうなぁ」と想像するほど楽しく加工出来ました。
完成品は、クリスマスオーナメントのように輝き、イルミネーションを彷彿とさせる煌びやかなものに。
仕上がりをご覧になられたお客様、「えー、こんなに綺麗になるのー♡!?」とのお言葉にこちらもニッコリ。
今年の締めくくりに良いクリスマスプレゼントが、本当にいいお仕事をさせてもらえました。
ご依頼主様、ほんとうにありがとうございました、どうぞ大切になさって下さい。
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修復費用 | クリスマスプレゼント価格 |
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期間 | クリスマスイブに間に合いました |
メッキ・宝石取り換え前
メッキ後 宝石取付前
綺麗に宝石取付完了
モダンも移植完成
内側つなぎめも自然