復刻前
復刻後
鯖江市河和田地区にあるメガネフレーム製造販売メーカー、谷口眼鏡。
この会社の看板モデルでもあるブランド、TURNING/ターニングは、その名の通り、節目/ターニングポイントと、谷口眼鏡の名を掛け合わせ生み出されたものだそう。
1990年代後半から今尚作り続けられる、「鯖江産てしごとめがね」を表す、同社の名を広める代表的ブランドです。
今回のご依頼は、画像TURNINGの右リムが3分割破損、しかも「破片が無い」という状態であることから、修復よりも復刻向きとなり、フロント復刻再生の流れとなりました。
この画像をご覧の方にして見れば、「こんなの直せるの?」と思われる事でしょう。
破損パーツが全て残っていれば「直せない事は無い」のですが、「新しく作った方が綺麗で丈夫で早い」となります。
では、破片が無いのになぜ復刻できるのか?について簡単に深掘り解説いたします。
一言で言えば、めがねは左右対称のものが多い、という事です。
左右対称のもの/シンメトリー構図、と呼ばれる 片方を鏡に映したような反対側の作り、を指すものは、片方が綺麗に存在していれば、鏡に映す要領でもう反対側を作れる、という事になります。
めがねの片側が残っており、それを寸分違わず製図する事で、反対側のデータを作れる=形に出来る、という事です。
現在ではCADなどの優秀なソフトがある為、比較的簡単に復刻出来るようになりましたが、それらが無かった時代は と想いを馳せると、先人の方々の苦労は計り知れません。
言葉では簡単に説明できる事でも、いざ実際作るとなると2~3時間で出来る、といったものではなく、何週間もかかります。
高いと思うか安いと思うか は、その人の価値観・判断基準にもよりますが、その人の為の 世界にたった1つをすべて手づくり、する事を考えれば、決して高すぎるものではないと思えるのではないでしょうか。
実際に手掛け創る職人は、その一枚に何日も費やします。
それを思うとその一枚への想いも 更に違ったものとなってくると思います。
このような事を伝えるショップはほとんどありませんが、複製を依頼できる工房がほとんどないという事実、がそれを物語っていると言えます。
大切な一枚のため その価値を創る、Feel Seedsはそんな数少ない工房のひとつであり続けたいと思います。
ご依頼主様、今回はどうもありがとうございました、どうぞ大切になさってください。
私の大切なめがねを何とかして欲しい、そんな皆様からのお問い合わせ・ご依頼お待ちしています。
※お問い合わせ・ご依頼はこちらから
復刻費用 | 約75,000円 |
---|---|
期間 | 約 8週間 |
上から
正面
綺麗に復刻
鼻周りも綺麗に