復刻前
復刻後
マニファクトアはドイツ製のめがねであり、今回のモデルはモダン部分にバネが組み込まれた、不思議なチタン製男性用フレームがご依頼品です。 元は右側のバネが利かなくなり、何とかならないか?の問い合わせでしたが、さすがに海外製の不思議なバネの作りは画像診断では判断できず、実際に見て確認する事になりまして、しかし実際見てもバネの複製が出来ず、他の提案をする事になりました。 そもそもこのバネ、モダンが真っ直ぐな状態から 内側と外側に約30度ほど曲がるのですが、めがねの装着にはあまり意味を持たない作りであり、なぜ作られたのかが分からない不思議さがあります。 私も初めて見る構造で、その辺の珍しさが気に入った方が購入されるのでしょうか? ご依頼主様たっての希望で、バネ製でなくとも モダン部分が可動するようにして欲しい、ということでモダンを新しくし、その中に丁番を仕込むことで可動させる構造をご提案した所、ぜひやって欲しいとなり、ご依頼の流れとなりました。 使う人の強いこだわりや要望があると、叶えたくなるのが職人の器量?というもの。 完成のイメージは大まか出来ていましたが、小さく 初めて行うモノへの細工は思った以上に時間と手間を要しました。 簡潔に記しますと、① 色形の近いモダンを探す(実はこれが結構大変) ② 元モダンに似た形状に整える ③ 可動パーツの埋め込み部をカットする(モダン) ④ 埋め込むパーツ(丁番)をロー付けし作成する(計4つ) ⑤ 丁番が納まるようにモダンを加工する ⑥ 丁番可動域をレーザー溶接で調整する ⑦ 丁番をモダンに埋め込む ⑧ モダンを染色し元柄に似せる ⑨ モダンを研磨 艶出し完成 この様な流れで手作りした オリジナル可動モダンにご依頼主様は、「ビックリしました、見た目同じですよ、本当にありがとう、鈴木さんにお願いしてよかった」までお言葉をいただき、本当に職人冥利に尽きました。 よほど気に入ってらっしゃったのでしょうね、私も忘れる事の無いご依頼の一つになりました。 ご依頼主様、お役に立てて良かったです、本当にありがとうございました。
復刻費用 | 約 30,000円 |
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期間 | 約 3週間 |
モダン先 内曲げ
モダン先 外曲げ
モダン内部丁番
アップ画像
大変喜ばれました