復刻前
復刻後
ブランドを問わず、当店 フィールシーズでかなり事例の多い セル輪復刻再生。 過去に幾度となく解説してきましたので、今回は視点を変え セル輪が壊れる大きな理由と その壊れ方について話します。 まず、セル輪が壊れる理由としまして大きく2つ、1つめは生地の薄さからくるもの。 2つ目は生地の縮みからくるもの、があります。 当店に緊急搬送されるフレームは、ほとんどその2つの要素が合わさって壊れたものです。 これらの特徴は、過去の掲載記事に何度も載せていますので、気になる方は是非そちらの方もご覧ください。 そして今回の深掘り要素は、セル輪の壊れ方、について少し解説します。 上記の壊れる要素によって壊れてしまう「壊れ方」も大きくは2種類。 縦割れ・横割れ、そのどちらかになります。 縦割れの場合、セル輪の円周に対し、垂直に生地が割れてしまう事(見た目では切断されたような状態)を指します。 一方横割れは、セル輪の円周に沿って生地が割れてしまう事を指し、今回の場合はまさしく「横割れ」の状態です。 割れ と表現 しましたが、実際には「裂け(さけ)」の状態と言えます。 壊れる理由は上記の通りですが、そこを更に深掘りしますと、①生地が縮みレンズを圧迫させる ②セル輪の内・外径の最薄部が負担増となり 裂けはじめる ③更に生地が縮み 裂けが広がり亀裂・割れとなる この様な順で画像の様な状態になるのですが、一般的にセル輪の内外径最薄部の厚みは約0.6㎜。 数字で見ると驚きの薄さですね。 ここが薄くなると裂けやすく、厚くなると丈夫になる造りとなります。 しかしながら、金属リム部分との干渉具合やレンズの焦点位置もあり、あまり大きなサイズ変更も出来ない、といった難加工品であり 手作業で1点物を再生出来る所が少ない訳です。 当店は加工出来ますので、そのフレームの壊れ方に沿った復刻のご提案をし、再生致しますのでご安心を。 当店の過去事例では、縦割れ横割れをたくさん掲載していますので、ぜひエピソードと共にご覧になってください。
復刻費用 | 約 53,000円 |
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期間 | 約 6週間 |
復刻前
復刻後
円周に沿って
裂けるパターン
スッキリ元通り