復刻前
復刻後
メタルリムの内・外側に取り付けるセル輪、メタルとプラのコンビネーションから「コンビフレーム」とも呼ばれているこのタイプ、過去に沢山ご紹介してきましたので、今回は リバースエンジニアリングの難しさ について このセル輪を例にしてお伝えします。 リバースエンジニアリングは直訳すると逆行工学 となり、簡単に言えば 完成しているものから、製造や構造を辿っていく という感じでしょうか。 当店のように製造工場ではない所が、そこにあるものを複製するとなれば、リバースエンジニアリングに該当するかと思います。 セル輪の場合、現状の縮んだ寸法と製造された当初の寸法差をイメージし、熟練された経験と勘で機械を操作しながら精度を詰めていきます。 2次元平面であれば苦労しませんが、3次元立体となるとピッタリ合わせる、という加工は難易度が格段に上がります。 例にたとえると、ここに直径5㎝×高さ10㎝の円柱形の型があるとします。 そこにピッタリおさまる円柱を、手作業で粘土で作ってください、というようなもの。 単調な形状でもジャストフィットはほぼ不可能という訳です。 そこを熟練の技で、ほぼピッタリに加工します。 このセル輪の場合、内側にレンズ・外側にリムと、サンドイッチされる為 厚みも含めてかなりシビアだということがお分かりいただけるのではないでしょうか。 結果、1発(1回目)で仕上がる事はほとんどありません。 微調整を幾数回繰り返し 作り直してバランス良い所におさめます。 それゆえ数日では仕上がらず、金額もそこそこ致します。 大変手間がかかるため、作り手側はなかなか増えないのが現状です。 こだわった形を図面から新しく作る側は数多くいますが、そこにあるものを複製する側は また違った技術も要し、それに見合う金額もなかなか認めてもらえない現状から、担い手も少なく より難しく険しいという訳です。 当店ではお客様にとって大切な こだわりあるめがねを丁寧に手間暇かけて復元し 適正価格でご案内しております。 値段のつけられない思い出の詰まったそのめがね、フィールシーズにお任せください。
復刻費用 | 約 50,000円 |
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期間 | 約 6週間 |
復刻前
復刻後 比較
生地色もほぼ同一
復刻後 別アングル
復刻後 正面