復刻前
復刻後
ビンテージと呼ぶに相応しい、鼻にちょこんと乗せて掛ける ”一山”(いちやま)タイプの縄手(なわて)フレームです。 耳にかけるケーブル状の部分を縄手と呼び、装着はその部分を伸ばしながら耳に巻き付けるように引っ掛けます。 今回は、縄手と呼ばれる 耳にかける部分の金属折れの復刻再生ご依頼です。 この、ケーブル状の耳に掛かる部分、中は細いコイル状になっている為バネ性を生み出し、耳に巻き付けるような装着が可能になっています。 しかし細い金属であり、部分的に汗などで腐食しやすい事からも、始点・途中などで折れても仕方が無い構造です。 今回はコイルの始点で折れていますので、溶接する修復再生か、パーツごと新規交換溶接の復刻再生の選択肢ですが、やはりお使いになりたいとのことでしたので、復刻再生になりました。 記述の通り、コイルが縄状になっているテンプル構造の為、「縄手 なわて」と呼ばれており 何十年も前から製造流通していました。(最近ではほとんどなくなりましたが) また、ビンテージフレームらしく、レンズを留めるネジの方向が左右で上下逆となっています。 これは、昔は左右で共通パーツ(金型)を使用した為です。 少ない金型や工程で済ませる為の知恵ですが、今現在となっては見た目、ネジ締めの面倒さなどもあって、左右共通パーツの概念はありません。(各画像ネジ部が映っておらずすいません) 作りから想像しますと、50年以上前の製品であることは間違いないですね、貴重な商品です。 肌当たりと腐食の防止の為、鼻・耳部分へは樹脂が取り付けられていることも、このフレームが長持ちしている理由のひとつでしょう。 当店でも仕上げに新しい樹脂を巻き付けさせてもらいました。 メガネミュージアムでも見ることが出来る、レトロなめがね、また一つ寿命を延ばすお仕事に携わりました。 ご依頼主様、大切になさって下さいね。
復刻費用 | 約 27,000円 |
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期間 | 約4週間 |
復刻前 左手
折れの為 不安定
復刻後
ピンと 張りがあります
復刻後
THE レトロ
鼻に直乗せ