国産高級メガネフレームの一つに挙げられる 999.9／フォーナインズ
ヨロイ金具の一部を曲げ、その弾力性を生かした「逆R丁番」はこのブランドが広めた新しい「究極の掛け心地」の一つです
デザイン・掛け心地・機能性など 考え抜かれた構造は多くのファンを虜にする、完成度の高いブランドといって過言ではありません

今回は、そのフォーナインズの過去モデル、黄変／黄ばみ除去 のご依頼です（更に別のフォーナインズも同時にご依頼頂きました）
かなり黄変激しいこちらのモデル、触れば表面もザラツキがあるほど荒れています
事前の打ち合わせでは「ご期待されるほど綺麗にならない可能性が高い」とお話させて頂いた上で「それでもやって欲しい」とのお言葉を受け、それならば精一杯させて頂きます、の流れとなりました

クリアフレームの場合 360度透けて見える為、処理が出来ないリム内側や 変色の深さなどに残る黄変が映り、綺麗になりにくい(分かりにくい）色になります
逆に言えば、不透明の色ならば 色移り処理前後ではハッキリ差が出やすい色と言えます
ご依頼に対し、なぜそうなるのかをきちんと伝える工房は少ないと感じますが、プレミアムを謳う当店ではいつも通りのご案内です

いざ加工が始まれば、出来る限り隅々まで削ぎ落し、黄ばみを除去していきます
窪みや裏側まで丁寧に処理をする事で、処理ムラの少ない仕上がりになります
以前も今回も同様でしたが「それでもやって欲しい」この魔法の言葉は、職人を「よりやる気にさせるもの」と感じます
私だけかもしれませんが、そこまで思われるのならこちらも出来る限りを尽くします、この様な気持ちにさせる不思議な魔法です

今回の仕上がりもご覧の通り、「諦めていたフレームが甦り大変嬉しく思います、新しいレンズでも新しいメガネのようになるかと思います」とのお言葉を頂け、手間暇かけた労力が 最高のご褒美に変わる瞬間となりました
黄色いベールを１枚脱ぎ 蘇ったフレームは、これから先もご主人様と共に歩みゆく人生となる事 間違いないでしょう

ご依頼主様、今回は当店の腕を信じお任せいただきどうもありがとうございました、もう一つのフォーナインズも精一杯加工させていただきます